書道をしている人なら知っている、お手本を書いた書道の有名人のご紹介。
まずは誰もが口をそろえて言うであろう、この人。
氏名:王義之
よみがな:おうぎし(ワンシーチー)
あだな:書聖
生涯:303-361年 58歳
家柄:貴族
職業:政治家・将軍
趣味:詩・酒・音楽
主な作品:『蘭亭序』『集王聖教序』『十七帖』

楷書・行書・草書などどの書体も美しい字を書く人で、かれこれ1700年も書をする人にとって神のような存在なので「書聖」と呼ばれています。息子の王献之(おうけんし)とともに二王とよばれています。
残念ながら真筆(実際に書いた作品)は現存していません。王義之の書を愛した 唐の太宗皇帝( 598-649年) がすべての真筆を自身とともに埋葬したと伝わっています。現代に伝わっているものは、双鉤塡墨という方法で精巧に模写された作品です。
王義之はどんな人生だったのか、、いろいろな逸話が残っています。
- 子供のころ引きこもり気味
- 政治家として活躍を周りから期待
- 軍人になりたかった
- 赴任地が気に入って詩や酒、音楽にふけり始めた
- もっとも有名な蘭亭序は酒に酔いながら書いた
- すごく嫌いな人が上司になったから仕事をやめた
- 退任後仙人になるための修行をした
- 酒代の代わりに「金」と壁に書いた
- 無類のガチョウ好き
手本として人気のあるものは人格者の書が選ばれる側面もありました。王義之のひととなりを表す逸話のイメージでは現代の人格者とも、ましてや神とも、かけ離れているような気もします。
妙に一貫性のない逸話が、人間臭さくもあり、人を引き付ける一つの要因なのかもしれません。
とにかく、その書はやはり美しく、簡単にはマネのできない高い技術力を感じさせます。
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