ふたば師範試験(論文2)

墨についても書きました。いまだ墨へのこだわりは未着手です。

油煙墨と松煙墨の違いについて

油煙墨は、油を燃した煤から作られており、不純物が混ざりにくく、炭素の粒子も小さいため墨色は艶やかで光沢があり立体感を醸し出す。色味は赤茶みがあるといわれるが、油の種類により差が出る。例えば、菜種油は赤茶黒、胡麻油は赤みを帯びた重厚な黒。

 一方、松煙墨は、松の木片を燃した煤から作られるため、不純物が混ざりやすく、炭素の粒子も大きい。墨色は濃墨では艶のない落ち着いた黒、淡墨では透明感のある青色を帯びる。特に淡墨にした時の滲みが美しく、豊かな墨彩が表現できる。

 この特徴を踏まえて、一般的に、漢字は、油煙墨が向いており、大書のように、かすれやにじみ、淡墨で表現をするものは松煙墨が向いているといえる。しかし、書作品の多様化により、書体に縛られることなく、それぞれの墨が濃淡潤渇や紙質との調和により、どのような表情をするのか、可能性を追求していくことも書道の楽しみといえる。

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