蘭亭序

蘭亭序

王義之(303-361年)が宴(353年3月3日)の際に、謳われた詩をまとめる序文として酔いながら書いたもので、卒意の書。(卒意とは、心のままに書かれた書を言います。)お酒が抜けて清書しようとしたけれど、この日の書を超えるものが書けなかったと言い伝わっています。

義之で説明の通り、本人の書いた蘭亭序は現存していません。現在残っているものは清の乾隆帝(1711-1799年)が集めた精密に模写された3種類で、北京故宮博物院に所蔵されています。

・八柱第一本 虞世南(558 – 638年)が書き写したものと言われ、王羲之の書に最も近い双鉤塡墨本と評価する人もいる。

・八柱第二本 褚遂良(596 ‐ 658年)が書き写したものと言われてきたが、現在は、960- 1127年頃の北宋時代に無名の人が書き写したものと言われている。

・八柱第三本 馮承素(617-672年)が書き写したものと言われ、いちばん筆跡がはっきりとしている

そもそも王義之が生きた時代から、この3種が集められるまで1200年も管理されていなかったのだから、その真偽のほどは定かではありません。

蘭亭序の美しさは、軽やかな筆脈、滑らかで力強い点画にあります。書くときはゆったりと、脈に沿って体ごとリズミカルに動かすことで、点画の強さも表現できるように思います。

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